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今日はクラウドファンディングの新着情報にインドでNGOで活動することやフリースクールについて書きました。プレマメッタスクールのことを知っていただくのにも良いと思いこちらのブログにも投稿します。
少し固い内容ですがインドに支援をする方や、これからフリースクールを運営したい方、公立学校とフリースクールの違いなどに興味がある方はぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
インドのNGOが海外から寄付を受け取るには
インドのNGOが外国から活動資金・物品の支援を受ける場合にはインド内務省所管の外国貢献規制法(FCRA)に基づく登録許可を持っていないといけません。もしこれを持っていない場合は海外から寄付のお金どころか物品、例えば鉛筆だって受け取ることは許されません。そして海外から寄付を受け取るときにはFCRAの登録がされているNGOの銀行口座でないと受け取ることができません。この銀行口座は海外からの寄付金を外貨でのみ受け取れるもので、インド通貨のルピーでは受け取れないので、インド国内から寄付を受け取る際にはインド国内用の寄付口座で受け取ります。これを守らずFCRAが未登録で海外から支援を受けた場合はお金でも物品でも処罰の対象になるほど厳しく監視されています。
FCRA口座でも、寄付を受け取るには海外から送金する人の送金伝票なども必要ですし、受け取った後も大変で、簡単に使うことはできず「受け取った寄付の目的」以外で使うことも認められません。実際に資金を使うときは、ATMで引き下ろしできるのではなく、小切手により支払います。年次会計監査では領収書などインド政府の定める会計報告を提出するなどの義務を負います。
フリースクールについて
インドにはたくさんのフリースクールがあります。日本の「フリースクール」は、不登校の子供たちが学校以外で学んだり友達と過ごす施設で、公立学校のように決まったカリキュラムがないことなどが特徴のようですが、インドでは少し違います。
インドでは「公立学校」「私立学校」「フリースクール」と大きくわけて3つ存在します。
公立学校は政府が管理運営しています。
私立学校は個人やNGOなどですが入学金や教科書、制服、すべてが有料です。
フリースクールは個人やNGOが運営し、基本的には無償で勉強できる場所です。
このフリースクールは無認可で運営している人が多くなりました。フリースクールを「ビジネス」として行う人が増え、問題となっています。現在は児童の安全を守るためにも規制が厳しくなり、無認可で学校を運営することはできないはずですが、まだ存在しているのも事実です。私たちの学校も「フリースクール」ですが、政府から認可を受けた「認可小学校」です。政府の支援はありませんが、カリキュラムなどはインド教育省の定めに従い運営し、公立学校からの児童の受け入れを依頼されたりもしています。
認可学校と無認可学校の違い
認可学校と無認可学校の大きな違いは「卒業証明書を発行できるか、できないか」だと思います。
政府の認可を受けていない学校では卒業証明書を発行できません。卒業証明書は例えば小学校だったら、中学校に入学するために必要です。多くのフリースクールが認可を受けず運営していると、児童はその学校で学ぶことはできますが、進学に問題がでます。そうすると就職に必要な高等教育までも進むことができません。またフリースクールはほとんどが「小学校」です。なぜなら中学、高等学校となると学校の校舎の規模、クラスルームの大きさ、校庭の確保など学校設立のための定めがたくさんあります。教師も小学校以上のレベルを教えられる人材は給与も高いなど運営維持にも資金がたくさん必要です。それに比べると小学校はそれらのルールが少ないためわりと簡単に始められてしまいます。そういったことから、フリースクールとして小学校がたくさんあります。昨年のデータではブッダガヤにあるフリースクールは登録されている数だけでも約30校もあったそうです。この他に、公立学校、私立学校があります。
私たちの責任
はじめて学ぶ場としてある小学校、何年もかけて通学し、勉強し、卒業するときに卒業証明書をだし、進学させることが私たちの責任です。そして卒業したから終わりではなく、中学、高等学校へと進み、就職するまで責任をもってサポートしていくためにスポンサーシッププログラムを作り、子どもたちを継続的にサポートしています。
今年の9月にFCRAの改定法案が可決
今年の9月にこの海外寄付規制法(FCRA)の改正法案が可決され、改正法が成立しました。これにより私たちNGOは海外から受け取った資金で学校の給食や寄宿舎で生活している子どもの食材を買うのにも小切手を使い、領収書を受領しなければならなくなりました。今までも先生の給与や学校の備品はそのように小切手で支払っていますが、野菜などはローカルマーケットから購入しています。500ルピーの紙幣でさへお釣りの小銭がないから使えない時が多々あるマーケットでは小切手など使えません。また、マーケットで野菜を売っている人々は銀行口座を持たない人も多いですし、その日稼いだお金で翌日売る野菜を仕入れているので現金が大切なのです。
インド政府が海外からの寄付金が社会連帯や経済発展を阻害するという考えがありこのような改正法が成立したのですが、NGOとしては非常に運営が厳しくなることが予想されます。私もここでNGOの運営を見るまでは知りませんでしたが、インドは「寄付」を簡単にお願いすることも、受け取ることもできない仕組みになっています。これは多くのみなさんがイメージする通り、NGOでもきちんと運営、活動しておらず、資金だけを集める団体や、「寄付」を集め、言い方は良くないですがまさに「私腹を肥やす」人々が絶えないために政府も次々と新しい規制をつくり縛りを強くしていきます。
不正を減らすためには仕方ないことですが、ルールに従い運営しているNGOにとっては非常に大変で、皮肉なことに、正しく運営しているNGOほど苦境に立たされていきます。それでも、ルールはルール、守るしかありません。
これからもどんなに大変でもルールに従い正しく、清く運営していきます。
最後にお願い
インドに限らず貧しい国でこどもが学べるようにと、フリースクールをはじめる人も増えました。世界中の子が平等に安全な環境で学べるようになってほしいです。その為に、フリースクールをはじめるのは素晴らしいことだと思います。これから始める方はぜひこの先何年も運営していくことを覚悟してはじめて欲しいと思います。また、現地人に任せる場合は、報告だけを信じるのではなく自分たちでしっかり見ることをお勧めします。外国から関係者が来るときだけ開く学校があるのを見てきました。
子どもが学校ビジネスに利用されないことを強く願います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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